九谷焼美術館は、大聖寺の街並み、山ノ下寺院群と背後の丘陵、白山の遠望、古九谷の杜親水公園、図書館、大聖寺駅と大同工業の鋸屋根が創り出す風景に連続して、昔からここにあったかのように存在する。
赤かわらぶきの5棟の集合体であり、周辺環境との関係において各棟が重要な役割を担っている。
古九谷の杜親水公園は、旧城下町と近代的市街地の骨格が出会う地点にあるため、美術館は2つの方向性を反映して、南棟は近代の街に向き、他の棟は城下町の骨格に乗っている。
【庭園美術館の主役は九谷焼の器たち】
かつて古九谷が眺められた大聖寺の光と風の中で、今また九谷焼を鑑賞したいという夢から、庭を持つ展示空間の構想が生れた。内外が連続する、やすらぎに満ちた、季節感のある空間の中で九谷焼と向き合う。
●青手の間と中庭
●色絵五彩の間と北庭
●赤絵金襴の間と東庭
●企画展示室と南の庭
所在地: 石川県加賀市
用途:美術館
延床面積:2165㎡
構造・階数:RC造/2階
外構・植栽設計:汀造園設計事務所
協力:近田玲子デザイン事務所(照明デザイン)、ペーパースタジオ(展示・サイン計画)
竣工:2001年4月
2004年 第10回いしかわ景観賞