2000年初頭、台湾ではレクリエーションが多元化してきており、週休二日制の風潮も影響し、温泉旅行が流行り始めていた。数年内に台北と宜蘭を結ぶ高速道路の開通も予定しており、宜蘭縣は、観光地として注目を集めていた。
とりわけ、礁渓温泉街は宜蘭地区の重要な観光スポットとして、旅行客は年々増加し、街も発展していた。そうした状況の中で、我々は礁渓地区の発展には将来的な温泉街全体の整合性を踏まえた計画が必要と考え、「礁渓地区計画湯囲溝公園周辺地区計画」を提案、それに沿って本公園の計画を進めた。
本公園敷地は礁渓温泉街の真ん中に位置しており、礁渓の未来発展にこの公園の存在は重要な鍵になると考えた。
公園の位置づけ
1.礁渓地区歩行者ネットワークの核
歩行者ネットワークは旅館地区、駅、礁渓公園、湯囲溝などのエリアを結ぶ。歩行者ネットワークは快適で安全であることが必須となる。このネットワークの核は公園である。公園は歩行者に休憩スペースや公共サービス、自然と文化など旅行の情報を提供する。
2.夜間活動の核
礁渓は宜蘭県内の夜間活動の重要な拠点の一つである。公園の周辺は温泉街のの中心でもあり、飲食店が立ち並ぶ最も賑やかなエリアでもある。将来、公園及び周辺は夜間活動の中心地区となっていく。
3.礁渓地区の象徴
現在、礁渓地区は線状に発展しているが、その発展には「核」となるような場所が不足している。礁渓地区を象徴する顔と呼べるような空間がなく、旅行客が受ける「礁渓温泉街」の印象も希薄だ。
本公園は将来、礁渓の象徴になり、礁渓地区発展の重要な役割の一端を担う。
計画の目標
1.礁渓地区の核となる場を創造する
2.温泉を利用した健康イメージを確立する
3.夜間活動の魅力を確立する
4.全エリアの水と緑のネットワークを構築する
所在地: 台湾宜蘭縣礁渓郷
用途:公園、温泉施設
延床面積:計1126㎡
公園面積:8853m24
構造・階数:RC造+木造/1階 温泉施設、足湯、四阿など
協力:樂駝規劃設計有限公司、陳逢澤建築師事務所(建築顧問)、日商日亞高野景觀規劃股份有限公司台灣分公司(植栽設計)
竣工:2005年(第一期~第四期)
2008年 臺灣全國都市設計大獎 -優選