本公園は礁渓温泉街の端にあり、日本統治時代に建設された「圓山公園」を前身とし、2005年に「礁渓温泉公園」に改称された公園である。日本統治時代には公共温泉浴場やプール、接待用の貴賓室などを有した歴史がある。
2004年、台北と宜蘭を繋ぐ北宜高速道路が開通したことは、宜蘭地区の経済や社会に大きな影響を与えた。特に礁渓地区への観光客は増加し、観光市場の発展も速く、旅館業・飲食業・レクリエーション温泉業などの大幅な成長を即した。
本公園に隣接する農業区も新たなホテル・旅館地区として民間投資での再開発が進められることになった。本公園用地も拡大することが決まり、県政府からは近年建設した既存施設は残しながら、老朽化した公園の再生並びに観光客の集客などが求められた。
計画理念
日本統治時代の「圓山公園」土地利用に基づき、基地内の地形や樹木を保存し、「圓山公園」の歴史文化の記憶を再現する。
1.敷地の景観の保護
敷地の後方の鵲子山を軸に、施設配置を行う。敷地内の丘は保存し、周辺の樹林景観を活用していく。鵲子山は礁渓地区では「礁渓富士」とも呼ばれ親しまれている。
2.地域の歴史空間の再生
すでに消失していた温泉浴場を再び建設、敷地の環境と融合する日本式露天風呂とし、本公園の歴史の記憶を再現する。
3.地域の素材を活用 地域の石材である四陵砂岩を用い、礁渓地区の特色である棚田の景観を再現し、地域のランドマークとなる景観を創出する。
所在地: 台湾宜蘭縣礁渓郷
用途:公園、温泉施設
延床面積:993㎡
公園面積:50216m2
構造・階数:RC造+木造/1階(森林風呂、足湯パーゴラ)
共同設計:樂駝規劃設計有限公司
協力:光+影建築師事務所(建築顧問)、日商日亞高野景觀規劃股份有限公司台灣分公司(植栽設計)
竣工: 2011年(第一期~第五期)