宮ノ丘幼稚園

北海道札幌の中心街から西北へ約8キロ。札幌の市街地が一望できる手庭山南東山麓に広がる住宅地の坂道を上り詰めたところに、宮ノ丘幼稚園はある。

子どもたちが多様な自然にであるようにと、ランドスケープ・デザインと建物を一体で計画した幼稚園だ。

南側は道路、北西側は丘陵、東側は水道局のポンプ場で草地である。斜面の上にある駐車場で車を降り、園舎に向かうスロープを降りていくと、馬とポニーが草を食んでいる円形の馬場を中心とする4棟の建物を包むように、緑の草原や森の風景が広がっている。どこからともなく、馬糞や草の匂いがする。そのすべてが子どもたちが活動する場だ。幼稚園と知らなくて訪れた人は、牧場と思ってしまうだろう。園舎はそれほど周囲の環境と一体になっているのだ。

駐車場に近いところには、風見鶏のついた塔のあるアフタースクール棟、敷地南東の小川の流れる林の中には、草屋根のコテージ棟、山を背にした西側には、ホールと5歳児の保育室がある西棟があり、渡り廊下の先には、既存の園舎を改修して遊戯室と3~4歳児の保育室にしている中央棟がある。中央棟の東側にはグラウンド、その北側は、斜面の草原、その奥には森が広がっている。

所在地: 北海道札幌市

用途:幼稚園

延床面積:1101㎡      

構造・階数:木造/1階 RC造/1階 木造/2階

共同設計:高野ランドスケープ・プランニング 舟建築設計 かめ設計室

竣工:2008年11月