象設計集団

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高橋建設

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「森」の中に建物が埋もれてしまっている……。
北海道帯広市で土木建設業を営む高橋建設のオフィスは、そんな感想を抱いてしまうほど緑が濃い。木々や草花が、うねる地表面から建物の屋上までを覆い、盛り上がった地面の部分と建物が連続していて境目がよく分からない。北側からだと、木々が並ぶ山の姿だけがあり、建物は全く見えない。
計画段階ではワークショップを行い、高橋建設の社員みんなが参加した。その中で各自がどのような社屋を望むのかなどを話し合った。そこから導き出された計画上の大切なコンセプトは、会社がある「十勝」らしさと、土木の建設会社が進むべき道を表現すること。
土木建設業は北海道の自然を切り開く役割を担ってきた。ある意味で自然破壊の先兵でもあったと思う。しかし、これからは自然環境とどう共生できるか、一体化できるものをどうつくれるかがテーマになってくるだろう。それを理念にかかげて設計案を練った。
高橋建設に受け入れられたアイデアは風水思想を取り入れたもの。風水上、良いとされる十勝地方の自然と風土を、敷地内にもう一度再現することだ。「十勝」という広いエリアの中の高橋建設が置かれた立地環境を縮小して、敷地内に例えば東側に樹林帯を、北側と西側に山々を、南側には平場をつくる。森や水辺のつくり方は、十勝の自然に忠実に合わせる。簡単に言えば、十勝の山と森をつくるわけだ。
この環境に置く平屋建て社屋は、できる限り存在感を消すことになった。「大きな森をつくることがテーマ。その森の中に建物の姿はなくてもよい」という考え方があったからだ。さらに建物の形状は、周りの山と連続するアーチ状になる。社屋は「山」の一構成要素なのだ。
意外だが、この社屋は土に埋もれているような印象が強いものの、内部はそれを払しょくさせてしまうほど明るく開放感がある。南面の大きな開口部や光庭から自然光が室内にふんだんに入り込み、風が建物を通り抜ける空間構成のおかげだろう。
周りにある森を部屋の延長として使って欲しいし、光や風と一緒に、人も気軽に内と外を行き来してもらいたいため、開口部周辺やテラスなどは外との連続性を大切にしながら設計した。

受賞:2003年 北海道赤レンガ建築奨励賞
2003年 エコビルド賞

Data

  • 所在地 :
    北海道帯広市
  • 用途  :
    社屋・庭園
  • 延床面積:
    614㎡
  • 建築面積:
    684㎡
  • 敷地面積:
    10,647㎡
  • 構造  :
    RC造平屋
  • 協力  :
    高野ランドスケーププランニング
  • 竣工  :
    1998年04月