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レンガ倉庫のリノベーション

2014. 06. 28 Sat

上野動物園園外倉庫が竣工しました。

築90年ほどのレンガ倉庫をリノベーションしたものです。
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単純に耐震補強をしたいところでしたが、築の古い組石造であるため、
現行法の組石造の壁厚さ400mmには足りない、350mmしかありませんでした。
そこで、内部に全く新しく鉄筋コンクリート造の構造体を造り、既存のレンガ壁は外壁材とみなし、
古くからの姿をそのまま残すという、変わった方法をとりました。


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リノベーション前の倉庫の姿
元は2層の建物でしたが、地面を少しだけ掘り下げることによって、
地下1階地上3階の4層をつくりました。
階高はとても低くなりますが、床面積が広い方が、この倉庫の機能としては効率的です。
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古いレンガ造という外観は、高いポテンシャルを持っているので、倉庫の役割を終えた後には、
レストランのような人を集める建物とするなど、新しい用途に利用される可能性を
持たせるため、4層のうち1階と3階にあたる床は鉄骨造としています。
用途変更時には鉄骨部分のみを撤去することで、容易に階高の高い2層の建物に
転用することができます。
また、この床をグレーチングとすることで、上階からも外光の届きやすく、
低い天井高でも圧迫感が和らげられた倉庫となっています。
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外部に見える黒いシリンダー部分は、事務機能を持つ増築棟です。
倉庫部分と半階分ずれているので、各階へのアプローチも容易です。
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このレンガ倉庫は、元々から倉庫であったわけではありません。
現在ではその詳細は不明ですが、都電の変電所であったと言われています。
近くの不忍池沿いに都電が通ったのは1917年のことなので、その頃の建物と思われます。
内部解体時には、変電所であったらしき痕跡もいくつかみられました
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屋根の鉄骨トラスが細い!
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窓の右手に見えるのは、シャッターの開閉機構   大正時代のシャッター
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変電所によく見られる内部の側溝         外壁下部の配線
工事前の姿は廃虚のようで、町の片隅にぽつんと取り残されたようでした。
工事が始まると、通りかかる人々が皆、気に掛けながら通り過ぎていきました。
「壊されちゃうんですか?」そう尋ねる方が大勢いました。
「外壁だけですが、残ります」それを聞き、皆がほっとした表情を見せる姿が印象的でした。
長年、この街角に立ち続けたレンガ倉庫は、これからもずっと立ち続けます。
Category:プロジェクト