象設計集団

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柔らかい素材

コンクリートや石、ガラス、鉄などでつくられた環境に身を置くことはつらいことだ。生身の肉体には硬すぎて、人々を不安な気持ちにさせ、緊張感を高める。私たちは土や木などの柔らかい〈素材〉、あるいは、瓦や玉石やレンガなどの小片の材料を好んで使う。安価で入手しやすく、人手で容易に加工組立てができるため、これらの材で構成される環境は、使い手によって維持され改善されてゆく可能性をもっている。一方、工業製品のような硬い材料は加工性が低く、一度出来上がったものに手を加えることは難しい。そのため環境に対して継続的な創造性を発揮することができない。土や木は断熱性能に優れ、温度湿度を調節し、音を吸収する。その柔らかいテクスチュアは光を繊細に受けとめ、豊かな表情を現す。